幽「…成程、それ隙が大きいのね」ブンッ
『!?うぐっ!』
幽香は立ち上がって何事もなかったかのように動いていた。それどころかこちらに傘を振りかぶって攻撃まで仕掛けてきた。まだ少しは動けない筈なのに、それかグラビティによって少しの間は動きが鈍る筈なのに…
一応そこそこのダメージは通ったようだが…
『…はぁ』
それまでのダメージと、詠唱中もろに喰らった傘のダメージもあって私は一気に脱力した。
幽「あら、もうおしまい?」
『そこらじゅう痛いし、もう疲れたよ』
幽「随分とあっさり諦めちゃうのね」
『最初から勝算があるなんて思ってないからね』
幽「…ちょっとつまらないわね。でもまぁ、いいわ」
私が降参すると幽香も攻撃を止めた。
幽「霊夢と互角に渡り合ってたって話も本当みたいね。確かにこのぐらいの実力なら納得だわ」
『(全く、何だってそんな話まで知ってるのやら…)』
幽「…決めた!これからは貴女にこうやってちょっかい出す事にするわ♪ま、次回からは今回よりもう少し手は抜くけどね」
『は、はぁ?』
幽「あの紅い館に居る間だけじゃないわよ。今日みたいな外出中だって、貴女を見つけたらちょっかいを出すわ」
『ちょ、何を勝手な!』
幽「ふふん、一方的にやられるのが悔しかったら強くなってみるのね♪」
明らかに見下した態度にむっとしてしまう。
『むっ……解った、それなら受けて立つ。』
幽「そう来なくっちゃ♪じゃ、今日はもう帰るわ。邪魔してごめんなさいね」
何かペースに乗せられてしまった。幽香も最後の最後までマイペースだったし、もう既に居ないし…
『面倒な事になっちゃったなぁ…って、それより急いで帰らなきゃ!
…つっ…いたた…これは、暫く動けそうにないかな…』
私は暫く休んだのち、急いで紅魔館へと飛び立った。
→