巨大で精密で一分のスキもない大量生産の中から、0.00001%あるいは、もっとずっとちいさな確率で僕らの部屋にLEMON(不良品)はくる。

嘆くことはない、なにしろ「それ」は、誰のものとも違うのだから。

そして、歪で危うくて、でも憎めなかった「それ」がいつのまにか改良に改良を重ねられ、ソフィストケイトされてしまったかんじがしても悲しむことはない。

改良に改良を重ねられながら、遠回りした過程でまとわりついた音や絵や人々によって、その心臓部のチップは確実に異常をきたし、形状記憶化され...ときには「良品」の顔を装ったりして「いやぁ、昔は不良品でした「LEMON+ed」なんてことを言いながら。

やっぱり足りない、永遠に足りないであろう「ネジ一個」を貪欲に、でもゆっくりと、途中いろんなものを飲み込み、吐き出しながら探して行くんだろう。

こまった、こまった。

でも、しかたないよ。

なにしろ、ぼくらが手に入れたものは、0.00001%あるいは、もっとずっとちいさな確率で出会えた、不良品だった(LEMONed)のだから。


by hide

名前:塁上のシンデレラ達

球速1578km/h

デレナイ、シンイレお疲れ様!!

話した言葉:LEMONeD