偉そうに書いてあるけど、あくまでも参考に。

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実戦経験のない吹雪が着任して成長する物語、という土台ではある。
だが、恐らく脚本は、赤城を主人公としての別の観点に
「艦娘達が大戦中の史実と同じ運命をたどるとは限らない。当時と現在は違う。今、艦娘の未来は誰にも分からない」
という物もあるのだと思われる。

勿論赤城も主役なのは明らかで、大食いキャラという設定を入れながらも、第3話のシリアスさは、史実通りにこれから消え行く運命にある如月にお別れの意味も込めて「ありがとう」と伝えること、というものであるのだろう。
そう考えれば、如月の轟沈は決して無駄死ではなかった、と捉えられる。(無理矢理なこじつけであることは承知ではあるが。)

次に、吹雪の親友、睦月と夕立。吹雪と同じく成長した。
睦月は、如月の死、という悲劇から、吹雪とともに大きく成長した。
夕立も改二になった。非常に癖のあるメンツをまとめ上げる旗艦として気張っている吹雪に追い付きたい。結果的に彼女も吹雪に感化されて、そして成長したのだ。

その吹雪の成長を助けたのが、やはり先輩達。川内姉妹を初めとし、教官としての利根、筑摩。戦場での死の恐怖に直面した吹雪を優しく抱き締め、愛する者のために生き延びて帰ることの大切さを伝えた金剛。編成後の凸凹さの一番の大元となった瑞鶴と加賀。(勿論加賀は10話でも吹雪を成長させた。)そして、秘書艦であるが故の心配から本当に僅かな手助けをした長門と陸奥。(長門も提督の意向に擬を持ち葛藤する主役であったことを付け加えておく。)

……と、ここまでは肯定的にとらえたつもりである。だが、勿論否定的な感想もある。
大淀は仕方ないとして、足柄は何のためにいたのか?授業の教官としての目立った動きは、自分の記憶を辿ってみてもないように思える。
シリアスな5話と7話の間に挟んだ第六駆逐隊メインの6話に出すためか?あまり良くわからない。
上の運命関連の話からすれば、最終話の大鳳出現は違和感はあるものの、納得はできる。だが、動かし方が雑すぎる。大和はそこそこ丁寧だったのだが。

アニメ版の提督は確かに個人的にも好きではない。実戦経験のない吹雪をいきなり戦場に送り出すのは如何なものか。殺す気か?
夢に出てきたから。運命の出会い。で配属して、いきなり実戦に出す。それで吹雪が沈んだらどうしたのであろうか。リスク計算なんざ考えてないのが丸見えである。第一話の終わりによく吹雪に激励出来たな、と今更ながら思う。吹雪が優しかったからよかったが、吹雪に殴られても文句は言えない行動をしたのだ。少しは罪の意識はあるのか?否、特別とした吹雪も所詮「駒」としか考えていないに違いない。

以上から、アニメは失敗とは言い切れないが、今一ツメが甘い。特に提督。
続編はどうなるのであろうか。楽しみと共に不安が過ぎる。
アニメ感想