○○…まだ起きているか?
こんな時間にすまない。
今日、家を空けてしまってすまなかったな。
寂しかっただろう?
明日からは、お前を置いて出かけたりはせぬ。約束だ。
……ところで、○○。
そこにある手ぬぐい。お前の物ではないだろう?誰の物だ?
……怪我をしたのか?その時に借りた…と。
して、怪我は大丈夫なのか?……そうか、良かった。
…手ぬぐいで思い出したが、お前はこの頃高虎と何処かに行くことが多いな。
いや、高虎だけではない、三成とも…。
……あの二人は、物言いもきついし、我の強いきらいがあるだろう?
共にいて、疲れはしないか?
…聞いているのか?○○。
………この頃、俺の話をきちんと聞かなくなったな。
幼少の折は、兄上兄上と…俺の言うことなら何でも素直に聞いていたのに。
……それに、共に過ごす時間も目に見えて少なくなった。
何をするにも、高虎や三成を連れ立てるようになって…。
……あのような者共、どうせお前のことを何一つ分かってはいないのに!
[珍しく声を荒げて、兄上は手近な壁にどんっと拳を叩きつけた]
お前のことをこの世で一番分かっているのは、俺だ!他の誰でもない…!
……すまぬ。声を荒げたりして。
それはそうと、今日は何をして過ごしていたのだ?
……そうか、城下に遊びに行ったのか。
事前に言ってくれれば、金子を渡したものを。
……それで、一人で行ったのか?
………そうか、一人で……。
……嘘は良くないぞ、○○。
何故、そんな嘘をつく?
…今まで俺に嘘をついたことなど、一度もなかったのに。
……そうか、やはり奴と過ごしていたのだな。
…ほう、食事は馳走になったと。
……それは良かったな…。
さぞや楽しかったことだろう……!
……○○。
俺の可愛い妹。
…いつでも、お前は俺の傍にいてくれた。
きっと、今は気まぐれで、少し俺から離れたいだけ。またすぐに戻ってくる。
そう思って、我慢していた。
けれど……もう、耐えられない。
やはり、あの者達がいけないのだな。
なんだかんだとお前を理解している風なことを言っているが、結局は赤の他人だろう。
……あんな奴らにお前を渡さない。
例え化けて出てくるようなことがあっても、また始末するまでだ。
……どういう意味かって…そのままの流れに決まっているだろう、○○。
お前にすり寄ってくる害虫のような男どもは、もう皆この世にはいないのだよ。
…今日、留守にしていたのは 邪魔なあいつらを片付けて来たからだ。
………あんなもの、いらないだろう?
傍らにあのようなものがいたら、お前が汚れてしまう。
お前を守れるのは俺だけ。お前は俺のことだけ 見ていればいい。
そうしていれば、幸せでいられるのだから。
………何故。
何故、そんなことを言う?
○○はそんなことは言わない…俺を否定するようなことは決して…!
………ああ、そうか。
あいつらと共に過ごす時が長すぎて、きっと毒されてしまったのだな。
可哀想に。
このままどんどん奴らに毒されていって、どんどん俺の知らない○○になっていくのか……?
………ならば……そうなる前に、俺が綺麗にしてやらねばなるまい。
俺の愛する……○○…。
名前:大谷吉継
26討
話した言葉:☆ヤンデレな兄に死ぬほど愛されて眠れない妹
良い流れを引き込めたか
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