頼光「さて…どこから話したものでしょう」
頼光「まずは私がバーサーカーなわけからでしょうか。ええ、簡単な話ですよ」
頼光「私、独占欲が強いんです。どこの世界の、誰よりも」
青葉「独占欲?」
頼光「ええ、どこの誰よりも。もしあの子が私を捨てる…なんてことが…あったなら…」
青葉「ひぃっ!?お、抑えて!抑えて!」
頼光「………」
青葉「わ、話題変えましょう!妖怪丑御前のことについて話を聞きたいです!」
頼光「…『妖怪丑御前は、源頼光によって討伐されました』。…これではだめでしょうか?」
青葉「いえ!…私は、真実が知りたいんです」
頼光「…いいでしょう。先ほども言った通り、何かあればこの刀で私を刺殺しなさい」
青葉「刀…ほ、本気なんですか!?」
頼光「本気です。そして、それほどの秘密に踏み込もうとしていることも自覚できたでしょう?」
頼光「…引き返すなら、まだ間に合いますよ?」
青葉「……いえ!女に二言はありません!」
頼光「ふふ…威勢がいいですね。では、語りましょう」
頼光「まず、丑御前と私は…『同一存在』です」
青葉「はぁ!?え、じゃあ伝承にある牛鬼退治って…」
頼光「今風にいうのならば…手の込んだ自殺とでもいうのでしょう」
頼光「私と丑御前は表裏一体であり…離れることはできないのです」
青葉「何があったんでしょう…」
頼光「…鬼子というものをご存知ですか?」
青葉「ええと、異様な姿で生まれた子供…でしたよね?」
頼光「ええ。私は…鬼子として、源氏のとある家に生れ落ちました」
頼光「ただ、生まれた赤ん坊は人とは思えない力を持っていた。故に、大和の国のとある寺に預けられたのです」
頼光「そこで娘は普通の子のようにすくすくと育ちました。…神の如き力を持っていること以外は」
頼光「そして、十五の誕生日に都から使いが来たのです。都に帰り、つけられた名が…」
青葉「…源頼光ということですね」
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