青葉「なるほど…では、李書文さんは『二の打ち要らず』の異名で知られていますが、具体的なエピソードとかってありますか?」
李「そうさな…山東省で鉄頭王とかいう男と果し合いをしたことがある」
李「その時に挑発したのよ。『先に三打攻撃して構わん、その代り攻撃した後は一打のみこちらも攻撃する』とな」
李「呵呵呵、挑発に乗った奴は渾身の力で攻撃してきたがいかんせん弱くてな」
李「お返しとばかり頭に一打浴びせたら、頭が肩までめり込みおったわ」
李「他には…北京である武術家と試合をした時の話だ」
李「始まってすぐ牽制の一撃を当てたのだが…それで相手が死んでしまった、ということもあった」
青葉「すごい力だったんですね…李書文さんの異名に『神槍李』というのもありますが、槍も得意だったんですか?」
李「槍が本業だ。八極拳など槍を扱うための前段階にすぎん」
青葉「ありゃ、そうなんですか?……その割には槍をお持ちでないように見えますが」
李「此度は『暗殺者』として現界している。故に槍は持ってきておらん」
青葉「ちなみに使用されていた槍は六合大槍というそうですが…長さはどれくらいあるんですか?」
李「約3m20cmだ」
青葉「3mって相当長いじゃないですか!重くなかったんですか?」
李「重くなどないわ。お主は自身の武器を重いと思うのか?」
青葉「それもそうですね。…では、李書文さんのお弟子さんについて教えてもらえますか?
李「弟子か…儂の一番弟子だった霍殿閣は確か愛新覚羅溥儀の護衛をしていた」
青葉「愛新覚羅溥儀といえば…清の最後の皇帝で満州国のトップだった人ですね。そんな人の護衛までしていたんですか…」
李「うむ。霍殿閣は後に霍氏八極拳として流派を成している」
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