青葉「こ、怖いですねぇ…。では、次の質問に参りましょう」
青葉「えー、ランサーさんは生前いろいろな活躍をしていられました。で、そのなかで七つの瞳、七つの指の怪物に変身する場面がありましたが…、ぶっちゃけ、本当に変身できるんですか?」
犬「出来るぞ。もっとも、今の俺には出来んがな」
青葉「えー」
犬「えーじゃねえ」
青葉「だって…。ほら、できるなら一度見てみたいというか…、っていうか、何でできないんですか?」
犬「あのなぁ…。いくら聖杯といえど英霊を生前と全く同じ状態で召喚することはできねぇんだ」
青葉「そうなんですか!?」
犬「そうなんだよ。俺達サーヴァントはあくまで『クラス』という役割に即した状態で召喚される。そうしねえと聖杯にかかる負荷が大きくなりすぎるからな」
青葉「なるほど。と、なると…、もしかして生前の方が強かったりするんですか?」
犬「当然だろ。無論英霊になって強化された部分も多々あろうが…『サーヴァント』に限定するならば生前の方が強いだろうさ」
青葉「うへぇ…。今でも破格なのにこれ以上って、古代はいったいどんな魔境だったんですか…」
犬「そうでもねえぞ。ちょっとばかし人間やめてるやつもいたが」
青葉「そんな人がいる世界を魔境と言わずになんて呼ぶんでしょうね。では、次の質問に行きますね」
青葉「えー、クーフーリンさんに限らず古アイルランド神話には『ゲッシュ』というものが登場します。この結果数多の戦士たちが奸計によって苦しめられ、クーフーリンさんもまた例外ではありませんでした」
青葉「ぶっちゃけ『ゲッシュ』ってなんですか?」
犬「誓いだよ。「〇〇の場合は、けっして〇〇はしてならない」という制約でな、守れば神の加護が得られるし破れば災いが降りかかる」
犬「オレの場合は『犬の肉を食べない』、『自分より身分の低いものからの食事の誘いを断らない』、『詩人の言葉には逆らわない』、『カラドボルグの所持者がアルスター所縁の者であった場合、必ず一度は負けなけなければならない』なんかだ」
青葉「いっぱいあるんですねぇ…」
犬「ま、最終的にほとんど破らされるんだがな」
青葉「で、あの結果だったんですか…。後悔とか、あるんですか?」
犬「あん?後悔ねえ。無念はあっても未練と後悔はねえな」
青葉「他の人にも何人か聞きましたけど、皆さんそうなんですねえ」
犬「ま、未練残してるやつも多そうだがな」
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