青葉「ども、恐縮です!『突撃!青葉の英霊インタビュー』のコーナーでっす!!本日のお相手は、不幸揃いのランサー人でも一二を争う不幸男、『被害担当漢』クー・フーリンさんです!」
犬「ひでぇ紹介だなオイ!?二つ名だってもっとマシなのがあるだろ!」
青葉「『ツッコミ担当漢』?」
犬「漫才師じゃねえよ!」
青葉「『ツッコミ担当犬』?」
犬「ちょっと近づいた!?」
青葉「うーん……あっ、『妖怪ハラワタ戻し』!」
犬「帰るぞ」
青葉「わー!待って待って!分かってますって!『クランの猛犬』でしょ?」
犬「ったく、最初からそう言えってんだ。序でに言っとくが、『猛犬』ならいいが、ただ『狗』呼ばわりしたら怒るからな」
青葉「あ、それは青葉も分かります。青葉も『ソロモンの狼』と 呼ばれましたからねえ」
犬「ほう、そりゃまたご大層なアダ名だな…って、分かってんなら人のアダ名で遊ぶなよ!」
青葉「(やっぱりツッコミ担当だなあ…)まあまあ。えー、クー・フーリンさんと言えば、やはりご本人と同じくらい有名な、愛槍『ゲイボルク』の話題は外せませんね」
犬「ああ、俺の切り札であり相棒だ」
青葉「そのゲイボルクですが、伝承によるとホントに色んな能力があるんですねぇ。必ず心臓に刺さるとか、何本にも枝分かれするとか、投げると敵軍全員に刺さるとか、刺さると全身に毒が回るとか、あと刺し傷が治らなくなるとか……どこまでホントなんでしょうか?」
犬「お前が体験してみたらわかるんじゃねぇの?」
青葉「わーっ!か、勘弁してください!」
犬「冗談だ。俺の持つ『ゲイボルク』」の一番重要、かつ有名な能力は『因果の逆転』だが、そのほかにも『体内殲滅』と『回復阻害』を持つ」
青葉「『因果の逆転』?どういうことですか?」
犬「あー、なんだ。例えばこの石を底の壁に投げたとしよう」
犬「そうすると、『石を投げたから、壁に当たる』。当然だろ?」
犬「だが、『ゲイボルク』の場合は『壁に当たるから、石を投げた』になる」
青葉「?」
犬「つまりだ。石を投げる前に、壁に当たるという『結果』が確定されているから放り投げられた石はその結果を遂行するために自動的に壁まで飛んでいくんだよ」
青葉「なるほど、すでに『結果』が出ている以上、それを防ぐことも避けることもできはしないということですね」
犬「そういうことだ。ゲイボルクの呪いが発動した時点で『相手の心臓に突き刺さった』という結果が生まれ、放たれた槍はその結果を遂行し必ず心臓に突き刺さる」
青葉「だから『因果の逆転』と言われるのですね。防ぐ方法は無いんですか?」
犬「無い…と言いたいところだが運が良ければ回避できるかもな」
青葉「運、ですか?」
犬「おう。因果を捻じ曲げることができるほどの運があるのならな」
青葉「他の『体内殲滅』と『回復阻害』は、どうなんですか?」
犬「そっちは文字通りだ。『体内殲滅』は攻撃を受けた相手の体の中をかき回し、『回復阻害』自然治癒以外の治療を無効化する」
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