名前:吹雪士郎

今まで351回マフラーを巻き続けた

もふもふ!

…本当はね、返事をするか迷ったんだ。
あなたはただ、感情を吐き出したくて僕に話しかけてくれたのかもしれない。ただ聞いてほしくて、衝動的に話しかけただけなのかもしれない。
そう思うと、僕がこうやって場を設けてあなたに返事をする事は…却ってあなたの傷をもう一度抉ることにもなりかねないと思ったから。大切な子のことを思い出して泣いてしまうかもしれないって…本当に悩んだ。

でもね、これは僕の独りよがりな思い込みに過ぎないかもしれないけど…、こんなにも自分を思ってくれる飼い主に出会えたその子は、とても幸せな人生を送ることが出来たんじゃないかな。
だって、その子はとっても甘えたがりな子だったんでしょう?いつだってあなたの傍を離れない、○○さんのことが大好きな子だったんだもん。最期まであなたと一緒に過ごす事ができて、とても嬉しかったと思うよ。

…その子のこと、僕もよく覚えてる。あなたは僕とお話をする時、たまにその子の話をしてくれたよね。
その時の○○さんの顔、すごく楽しそうだった。大好きで大好きでたまらないって気持ちが、僕の心にまで伝わってきた。
あなたはほんの雑談として話をしてくれたのかもしれないけど、僕はその子の名前も、その由来も覚えてる。…情けないけど、嫉妬してたんだ。いつもあなたの傍に居ることができるその子が…僕にはとても羨ましくて。

でも、最近元気が無いんだって心配してたあなたの横顔を見た時、胸が締め付けられるようだった。あなたが何度も病院に連れて行く姿を見るのは心が痛んだ。
初めはただ、ズルいなぁって思っていただけだったのに。あなたがあの子の話をする度に、なんだか僕も他人じゃないような気がして…。今は何をしてるのかなって、想像するようになったんだ。
僕はいつのまにか、あなたの大切な猫のことを「未来の自分の家族」として、同じように大切に感じていたのかもしれない