名前:吹雪士郎

今まで351回マフラーを巻き続けた

もふもふ!

あ、○○さんおかえりなさい。
無事に用事が終わったから、今日はちゃんとお出迎えしようと思って…ふふ、どうかな?このエプロン。ちゃんと僕に似合ってるかな?
すぐにご飯の準備をするから、イスに座って待っててね。

>>おぉ、士郎ちゃん!お疲れ様です~!エプロンとっても可愛いね!お嫁さんな感じで(*´ω`*)
>>エプロン士郎君癒されるなぁ……フィギュアにしたい
>>ブラウザ開いたら士郎君が出てきたでござる~!士郎君可愛すぎて何を検索しようとしてたのか忘れちゃったw

え? 僕…お嫁さんに見えるかな?料理中に服が汚れないようにエプロンしてみただけなんだけど…○○さんが喜んでくれたなら結果オーライかも…??
だって僕、今日は○○さんを癒してあげたくて待ってたんだもん。
あっ、ちゃんと貰った合鍵で開けたから心配しないで寛いでてね。○○さんの家は僕が守るよ!家庭を守るのはお嫁さんの仕事だもんね!

>>うわー!トップの吹雪くん可愛い!
>>エプロン似合ってる
>>エプロンかわいいね!
>>リボン似合う…かわいい…
>>トップがスッゴい可愛い!

えへへ、そうかな?
実はこのエプロン、家庭科の授業で作ったんだよ。何色にしようか結構迷ったんだけど、水色が一番目に優しかったから。
…作ってる間もね、○○さんのことがずっと頭から離れなかったんだ。上手に出来たね、似合ってるねって…いっぱい褒められたくて頑張ったんだぁ。

>>おかえり!エプロン似合うね
>>私、エプロン大好きなんだ
>>着せ替えアバターがある物では真っ先に手に入れようとするくらい好き

へえ、○○さんってエプロンフェチだったの?今まで全然知らなかった…。
…こうやってずっとエプロン付けてたら、もっと僕を好きになってくれる?
少しでも可能性があるのなら、僕…はりきって毎日エプロンを着るよ!!

>>もう狙ってますよね
……あ、バレちゃった?
でも、こういう僕のこと…○○さんは嫌いじゃないんでしょ?
…ちょっと、苦笑いしないでよ。僕だって必死なんだからねっ!

>>ああこれはあかんやつや(鼻血白目)
>>とりあえず冷静になって落ち着こう
>>服は着たままでいいから、汚さないようにするから大丈夫安心して、私に身を任せてくれれば大丈夫。うん大丈夫

……あの、○○さん?何だか様子が変だけど…どうしたの?体調でも悪い?
…うーん、おでこも特に熱くないし、風邪を引いてるってわけでもなさそうだけど…。
○○さん?ちゃんと僕の声聞こえてる?おーい○○さーん??(ぺちぺち)

>>エプロンぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろ(以下省略)
ひゃっ…!ちょっ、え、なに!?なんでエプロン舐めてるの!?
○○さん離して!分かった、エプロンあげるから!僕のエプロンあげるから無理やり抱き締めて舐めたりしないで!!

…はあ、はあ…、び、びっくりした…。まさかこんなことになるなんて夢にも思わなかった…。

>>たまには私がご飯作るよ
忙しくて大変だったでしょう?

…ううん、いいんだ。僕にやらせて?

……僕はね、本当に感謝してるんだ。
僕が寂しくならないように、僕が傷付かないように…○○さんはいつも、僕を優しく見守ってくれてるよね。
あなたと離れている時間は凄く辛いし悲しいけど…、今日は寝坊して遅刻したとか、ご飯がとっても美味しかったとか、…そんな些細な出来事を聞くのが好きで、待っている時間を楽しみにしてる自分もいるんだ。
…そう思えるのってね、本当は奇跡に近いものだと思うんだよ。


僕は一人になるのが怖くて、常に笑って生きてきた。
笑っていれば、自然と人が寄ってきた。誰かに嫌われることもなかった。
悲しい事も、辛い事も…笑っていれば気付かれなかった。皆が皆、笑顔の僕を「吹雪士郎」として認識してくれた。

それはとても都合のいいことだったけど、おかげで僕は誰にも心を開けなかったよ。
吹雪士郎っていう人間はね、サッカーが上手くて、シュートも完璧に決めちゃって、勉強も人並みにそこそこ出来て、嫌なことでも笑顔で快く引き受けちゃう…白恋中の王子様なんだって。
ふふ、おかしいよね。本物の「吹雪士郎」は、部屋の隅でうじうじ泣いているような人間なのにね。
一人では満足にシュートも決められないし、ゴールを守る事も出来ない。ちょっとサッカーが出来るからって、別に特別なことじゃない。

それなのに、皆は口を揃えて言うんだ。吹雪くんは凄いね、完璧だねって。


…○○さんが初めて声をかけてくれたのが、ちょっとした気まぐれだってことも分かってる。
でもね、○○さんは…弱い僕を受け入れてくれた。一人ぼっちで泣いている僕を、何も言わずに抱き締めてくれた。
それがどんなに優しい行為なのか、○○さんは知らなかったのかもしれないけど…僕はあなたに救われたんだ。
このままでもいい。無理に笑顔を作らなくてもいい。
我侭だって、ちょっとぐらいは許してくれる。お願いだって、苦笑いしながら叶えてくれる。
そんな些細なやり取りが本当に嬉しくて、幸せで…気が付いた時には、○○さんに本気の恋をしていた。


僕、○○さんのことが好きだよ。
大好きで大好きで、胸が苦しくなっちゃうぐらいに好き。
たとえこの気持ちがあなたを傷付けることになっても、僕は絶対に手を引かない。あなたとはずっと一緒に居たいって思ってる。

だからこれは今までのお礼と、もしそうなった時のお詫びと…僕の作った料理を○○さんが気に入ってくれるかもしれないっていう、一種の純粋な賭けなんだ。こうやって一生懸命働きながら手料理を振舞ってあげれば、僕のことを優しい子だなって思ってくれるかもしれないし。
サイテーだって言われても気にしないよ。好きな人を手に入れるためには、形振り構っていられないもん。

…というわけで、ご飯の用意は僕に任せて○○さんは早く座って座って!
ふふっ、今日は○○さんの為に、頑張ってお料理するからね!僕の愛情たっぷりの手料理で、胃袋を丸ごと鷲掴みされちゃえ!