名前:吹雪士郎

今まで351回マフラーを巻き続けた

もふもふ!

…あのね、○○さん。ちょっとでいいから僕の話を聞いてくれる?

最近、よく変な夢を見るんだ。
僕の家族は死んでなんかいなくて、お父さんもお母さんもいて、アツヤと一緒にサッカーをしてる夢。

チームメイトはみんなそれを当たり前のように受け入れていて…、まるであの日、雪崩の事故が起こらなかった世界の夢を、ビデオテープを巻き戻すように何度も何度も繰り返し見る。
当たり前だけど目を覚ませばアツヤは何処にもいなくて、そこで初めて夢を見ていたことに気付くんだ。

気になって調べてみたんだけど、そういうの、パラレルワールドって言うんだってさ。
例えば僕が今からサッカーボールを蹴る未来と蹴らない未来。そういう些細な選択肢の先に、数え切れないぐらいの世界が存在してる。
今ここにいる僕も、多くに存在している世界の“吹雪士郎”のうちの一人で、世界の数だけ“僕”という存在がいて、それぞれが違う生活を送ってるんだって。