七深「はっ!? また、あの時の夢……」
あの日から幾度となく見た夢。最も痛ましい記憶で私は目覚めた。全身ビッショリと寝汗をかいていて気持ち悪い。
七深「時間は……えっ、嘘!? 9時!?」
授業が終わって帰ってきて、ほんの少しだけ仮眠を取るつもりだったのにガッツリ寝込んじゃってたみたい。今日は刺客を始末しに行く日なのに……!
七深「とにかく急がないと!」
私は即行でシャワーを浴びた後、机の上に適当に置いてあったパンを頬張る。
七深「あっ……」
ふと見ると、机の上に突っ伏して寝落ちしている○○ちゃんの姿。そっか、昨日遅くまで漫画読んでて全然寝てないって言ってたもんね。
七深「行ってきます、○○ちゃん……」
私が不自然な時間に出掛けるのは本当にいつも通りの光景。○○ちゃんはいつも、何も追求することなく笑顔で見送ってくれる。
いつか話さなくちゃいけないのかな? 刺客とか、家のこととかも。でもそうしたらきっと巻き込んじゃう。
○○ちゃんは、こんな血塗られた世界にいていいような子じゃないんだから……だからこの先もきっと……私が本当の正体を明かすことはないだろう。
私は天使のような顔で眠る○○ちゃんの頭をそっと撫でると、寮の部屋を後にした。
寮長「黒刃か。今日は随分遅い出撃だな」
七深「寮長様。申し訳ありません、寝過ごしてしまいました……」
寮長「まあ良い。門は開けてある。行ってこい」
七深「はいっ!」
私は寮長様に一礼すると、決戦の地へ走り出した。
寮長「……風が、哭いているな。騒がしい夜になりそうだ」
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