(…………、)



(何だか長い間眠っていたような気だるさを感じながら起き上がる)

(自分は…何をしていたんだったか…)



(……!)

(そうだ、自分は死んだはず…思い出した記憶にドッと脂汗が滲み、杭を打たれた胸元に手をやると)

(…?)

(傷…というか穴が、ない)


(念のため着物を少し寛げ肌を確認するが、傷痕すら見当たらない…痛みも苦しさもまったく感じない)



(…これは、どういうことだろう)
(困惑の中、頭に手を置くと硬い何かに指が触れた)


(…なんだろう、これ)

(コツコツと指で突っつくも取れず、あたりに水もないから自分の姿が見れないため、とりあえずそのままにしておくことに)




(…とりあえず、ここはどこか)



(自分が死んだのか生きてるのかもわからないまま、森のような道を進むことにした)




(少し進むと、向こう側から人が歩いてくるのが見えた…しかし遠目で見る限り、男のようで気が重くなる)


(いい人だと、いいのだけど…)



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遠い記憶5