(奥に連れていかれたどり着いた場所には、なにやら寝台のようなものと松明や玉串など…)
(松明の灯で周りは明るいはずなのに雰囲気は暗くどこか湿った気配)
(どう考えても嫌な予感しかなく、身を引くがそれよりも強い力で台の上に押し付けられてしまった)
(手足をどうにか動かし抵抗をしていると、何人かに押さえつけられ軋む痛みや恐怖に涙が溢れてきた)
「お前は神様のところに今から行くんだ、喜べ」
(何を言っているのかわからないまま、恐怖で歯がガチガチと鳴り言葉も発せず黙っていると、胸元に重みがかかる)
(………杭?)
(ささくれだった木が胸元にまっすぐ立てられ、このあとどうなるか…なんて考える時間もなく木槌を振りかぶる男が視界に入った)
(ガツン、打ち付ける大きな音と衝撃に身体が跳ねる、身体を押さえつけてた手の力が更に強くなる)
(視線を下げると杭が自分の胸に突き刺さっているさまがよく見えた)
(瞬間、痛みを越え感じた事のない熱さを感じ意識が遠退きそうになる)
(もう一度打ち付けられ、激痛に叫び声をあげても誰も助けてはくれない、男達はどこかニヤついた面でこちらを見下ろしたまま)
(こんなの、狂っている)
(私が余所者だから、贄に選ばれたんだろう…望んで孤児になんかなっていないのに、村の子供の中で一番私は働いていたはずなのに…私はいらない子だったのか、最初から)
(焼かれるような熱さから、だんだんと底冷えするような寒さが全身を巡り四肢が震える)
「恨むなよ」
(そう呟かれた言葉に、恨むもなにも…もう死んじゃうから何もできないよ、と返したかったが叶わぬまま意識が途絶えた)
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