(今でも目を閉じれば事細かに思い出せる…)










(気がついたら自分はそこに居た、ひとりぼっちで)
(家族というものはいなかった、もちろん血縁者も)


(育ててくれる人はいたけれど、他人だった
その人も私がある程度喋り動けるようになったとたんに『余所者は働け』と冷たく言いはなった)
(最初はとてもつらく苦しく、何故自分だけ…とも思ったが、私には育ててくれたあの人しかいない
あの人に見捨てられたらすがる人がいない…すぐに死んでしまう)


(そう考えたらどんなにつらくても、叩かれても、笑われても耐えていけた)






遠い記憶