おう、。

(あ、ガミおはよう)

おはよーさん。

(下駄箱で靴をはきかえていると、ちょうどガミと鉢合わせた)
(いつもはろぼと一緒なのにひとりなんて珍しい)

(ろぼは?寝坊?)

…アイツならもう教室にいる。
俺も別に今来たわけじゃねぇよ。

(え?)

お前のこと待ってた。
ん。

(ずいっと眼前に白い箱を押しつけられる)
(訳が分からず目をぱちくりさせていると、ガミは苛立った様子で声を荒げた)

なんだ、朝っぱらでボケてんのか?
先月のお返しだ、とっとと受け取れ!いらねーとか言ったらシメるからな。

(唸るように私を脅しながら、ガミ曰くお返しのソレで私の額をごつごつ小突いてきた)
(箱の角が地味に痛すぎて慌てて受け取る)
(白を基調としたデザイン、シンプルなリボン。メッセージカードも添えられているようだ)

(ガミが本当にホワイトデー用意してくれるなんて…)

どういう意味だコラ。
…期待しとけとは言ったがな、普通に店で買ったヤツだ。
中身もただの飴だし……ニヤニヤすんな!

(痛いッ!)

(ホワイトデー用の売り場にガミが居る所を想像してにやけていると、容赦なく頭頂部にチョップを喰らった)
(「なんで俺がこんなモン用意してやらなきゃならないんだ」やら「並ぶのが死ぬほど恥ずかしかった」など購入時の恥辱を口にしては、半ば八つ当たり気味にチョップを連発してくる)
(知った事かと抗議しようとなんとか顔をあげると、珍しいことにガミの頬が真っ赤なことに気付いた)

…ガミ、ありがとう。ほんとに嬉しいよ
 
1F校舎玄関前