(みんなの姿が見えなくなったところで踵を返して歩き出す)
(すると、かすかにこちらに向かって駆けて来る様な足音がした)

おい!

(あれ?ガミ)

(振り返ると少し息を切らしたガミが立っていた)
(この寒い中走ったせいなのか鼻が赤い)

てめ…っ、ふつうに、チンタラ歩いてんじゃねえよ…。

(いや走る理由も無いし…てかどうしたの、忘れ物?)

ちげーよバカ。送っていく。

(…は?)

(私が首を傾げると、ガミは苦虫を噛み潰したような顔で自分の頭をボリボリと掻いた)

あのな…お見送りは構わねぇが、こっからお前の家まで結構距離あんぞ。
俺らは三人で帰るとして誰がお前を家まで送るんだよ。アホか。アホなのか。
何時だと思ってんだ。

(早口でそう捲くし立てられる)
(えーと、えーと、それはつまり)

私が心配で戻ってきたの?
 
(さて私も家に戻ろう)