(ママ心配しすぎだよ、こんな住宅街で変質者なんて出ないって)

まさかって思うようなことやらかすから変質者って蔑称なんだろうが。
つか誰がママだ誰が。

(寛ちゃん)

ぶっ飛ばすぞ。
…ったく。

(軽口を叩いて互いに小突きあっていると、ふいにガミがぽつりと零した)

さっき来年も、なんて話してたけどよ。

(うん?)

実際どうなんだろうな。
お前はいつまでもこの四人でバカやってられるって…そう思うか?

(………)

試験とか大学とか、言ってる間に数年もしないうちに立派な社会人だ。
ぬるま湯みてーな毎日に浸かってて忘れがちだけどな、ずっとってわけじゃねえだろ。学生ってのは。
進路のことだってアレコレ考えなきゃいけねぇし…ろぼはその辺サッパリみてぇだが…まあアイツはちゃらんぽらんだから俺が傍にいてやんのは当たり前として。

のろまや…おまえ、は。

(詰まらせながらそう呟いたガミの表情は珍しく寂しそうで)
(私はなんだかたまらなくなってしまい、思わず―――)

センチメンタルか!!!
 
ふたりぼっちの帰り道