うーん、やっぱりここがお気に入り!

(アーケード街を抜けると狭い道路を挟んで街路樹がある)
(深夜だなんて思わせないほど、相変わらずイルミネーションは煌びやかで明るい)
(夕方に比べれば幾分か人気のなくなった並木道で、ろぼはくるくると踊るように回ってみせた)
(妖精さんか!)

………。
よっこいしょういち!

(それから少し辺りをきょろきょろ見回したかと思うと、おもむろに古臭いかけ声をだして、レンガ造りの花壇に足をかけてのぼった)

(あらお行儀悪い)

今はガミがいないからいいの。
ないしょね、ないしょ!

(にしし、と歯を見せて人差し指を口元にあてる)

ね、カップルさんばっかりだよね。

(ばっかり、というほど人がいるわけではないけれど、まあ皆が手を繋ぐなり腕を組むなりしてるわけで)

ぼくたちは、どんな風に見えてると思う?

(ろぼが私を見下ろしている)
(いつもしゃがむか首を曲げるかしないと、まともに視線があうことなんてないから新鮮だ)

(どんなって…)

姉妹とか?
恋人でしょ
 
とことことこ