(素直じゃないガミにこそ、素直な気持ちでこたえなくちゃ)
(私の言葉にガミは少し目を見開いたかと思うと、バッと顔を背けて眼鏡のフレームを弄りはじめた)

…誠心誠意感謝しやがれ。
こんなんしてやるの、テメーとのろまだけだからな。

(うん)

チッ!他のやつに俺から貰ったって言うなよ!
先月みてーな面倒事はゴメンだ!絶対だぞ!

(うん)

あとニヤニヤすんな!

(それは無理)

ぶん殴るぞテメェ…!

(正直ニヤニヤするなと言う方が無理な話だけれど、今にも雷が落ちそうなほど険しい表情でガミがわなわなと震え始めるものだから、慌てて冗談だと宥める)
(いちいちこの可愛くない照れ隠しに付き合ってたらこっちの体がもたない)

(あ、そ、そうだ。これ、中見てもいい?)

ここでか?…まあもうお前のモンだしな。勝手にしろ。

(箱の中身は言われた通り飴玉で、シンプルな箱とは裏腹にパステルカラーの包み紙が可愛らしい)
(リボンに挟まっていたメッセージカードには「I can't stop thinking about you.」と英文が書かれていた)

(あいきゃんと、すとっぷ、しんきんぐ、あばうちゅー?どういう意味?)

(グダグダな発音で読んだまま口にすると、ガミは私の手からカードを取りあげて勝手に箱に戻してしまう)

…あくまでこれは商品の付属だ。俺の意思じゃねえ。

(いや、和訳してほしいだけで…)

自分で調べろ。

(はい)

(虫くらいなら余裕で殺せそうな勢いで眼光鋭く睨まれてしまった)
(あとで辞書ひかなくちゃ、なんてぼやいている私を見てガミは深くため息をつく)

まあ、あながち間違いじゃねーんだけどな。





I can't stop thinking about you.
(お前のこと、考えずにはいられないんだ)

 
…ガミ、ありがとう。ほんとに嬉しいよ