…お前が暇で暇でしょうがなかったら、な。
オッサン相手にするより、今はまず学生生活を謳歌することに集中しろよ!

(袖口を掴んだ手ごとギュッと握られて、握手するみたいに上下にぶんぶんと振られた)

じゃあな、。
またいつか。

(一段とまた強い寒風が私達の間を通り抜ける)
(舞い上がった前髪の隙間から見えた瞳はほんのり寂しそうで)
(こんな気持ちになってるのは私だけじゃないんだ)

(何メートルか歩いて振り返った時にはもうおじさんの姿はなかった)
(そういえば名前すら聞かなかったな…我ながら無用心すぎる)

(…あれ?でもさっき…。私、名前教えたっけ?)
 
…また遊んでくれますか?