メグミ「…立ち上がりませんね…、やはり、この試合…」
メグム「ちょっとまってください」
メグミ「…あ!立ち上がります!」

ヨーコ「!?」

メグミ「なんと!あれだけのパンチを浴びて!チャレンジャー立ち上がりました!!」

「…………」

メグム「何か様子が変ですね」
メグミ「これは…、き、気絶しています!立ったまま、気絶しています!しかし、その立ち姿のなんと雄々しいことか…!かつてこんな事があったでしょうか!圧倒的力量差にも屈せず、最後まで立ち続ける者の姿…!会場中の観客が立ち上がり、チャレンジャーに拍手を送っています!」

ヨーコ「…フッ、おめえにゃ負けたぜ」

メグミ「チャンピオンが、ヨーコちゃんがゆっくりとチャレンジャーに歩み寄り、何かを首にかけています。あれは…チャンピオンベルト!実に359回の防衛戦に勝利し、10年間に渡りヨーコちゃんの腰に輝き続けていたベルトが、今、チャレンジャーの手に渡りました…!…これは…この試合は…涙を禁じ得ません!」

メグミ「会場中から発せられる、割れんばかりの歓声を浴びて、元チャンピオン、ヨーコちゃんが退場していきます…。そして、新チャンピオンは静かにリングに立ち続けています。今日のこの試合は、歴史に残るものとなるでしょう。以上、実況の秋山メグミと解説のメグムがお送りいたしました。さようなら」
メグム「はい、さようなら」









「…はっ!…なんだか長い夢を見ていたようだぜ…」
taosaretanoka