…泣いてなどおらん…。

ただ…ふと、不安になる。

これほどまでの幸せ、全ては己が変わったからこそ手に入れたもの。



もしこの先、俺が変わらなくとも周りが変わってしまったとしたら。

そうしたらこの幸せなど、まるで夢だったかのように消えてしまうのではないか。

また俺は、全てを失うのではないか。



そんな事を考えていると、昔の自分を思い出す。

誰にも認められず孤独に過ごし、誰かを殺める事のみで己の存在価値を示していた、孤独なあの日々を。
泣かないで