<[name]>…

(既に冷たくなった亡骸を前に、淡々とした口調で話し始めた)





何の為に俺は存在したのだろう。

何の為に砂の盾はあるのだろう。

…っ、本当に、


何の為に…












一人の大切な者を守れないで、俺は一体何を守ろうとしていたんだ。












お前を失う事もまた忍の運命だとしたら、俺はそれに背く。

いや…しかし、<[name]>は怒るだろうか?



怒るだろうな。



お前の事は、誰よりも俺が一番知っているのだから。







俺が、常言っていた事を覚えているか?

━━<[name]>の居ない世界に生きる意味は無い。



愛の無い世界に生まれ落ちたも同然。

その虚しさ、苦しさ、痛みはよく分かっている。











………また、夢の中で会えるといい。

盛大に、変わらないその笑顔で、怒られるとしよう。


(スッと手を天にかざすと、その手を中心に砂が我愛羅と<[name]>を包み込む。まるで繭にこもるかように。だがその繭が破られる事は二度となく、静かに、静かに、砂隠れを見守り続けたのだった…)
戦死する