全員より一歩リードした透華が嬉々として言う。
確かに36000は大きい。

○○が動じないのはわかる。
だが、なぜ振り込んだ須賀が平然としている？

「恐れ入った、こんなに早く三倍満とは…さて、次だ」

東場第一局一本場。

「ロン！12000の一本付けですわ！」

振り込んだのは須賀。

東場第一局二本場。

「それですわ、24000の二本付け、頂きますわ！」

またも振り込んだのは須賀。

東場第一局三本場。

「まさに私のワンサイドゲーム！12000の三本付け！！」

またも、須賀。
何を考えているこの男は！
まだ衣も○○も何もしていないというのに！！

東場第一局四本場。

「これはオマケですわ！更に12000の四本付け！」

何がしたいというのだ、この男は！
須賀を睨み付ければふっと息を零し、呟いた。

「これで良いか。では後は好きにしろ」

…何を言っている。

「………そんなに嫌か」

「あぁ、俺の能力を暴こうとしているのは気づいている。
だが、俺を標的にしなければ暴けないだろう？
そして今の俺は風前の灯。無理に暴こうモノなら飛ぶな」

この男、能力持ちか！？
そしてその詳細を暴かれないためだけに透華に振り込み続けたというのか！

「俺は東風戦一回しか付き合わん。
だから俺を狙えない。そうだろう？」

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