「な…東風戦だと!?衣を舐めているのか!」

「舐めてはいない。だが○○ならそれくらい出来る」

その言葉に○○を見れば少し気まずそうに苦笑いしている。
本当に出来るというのか、衣との決着を、東風戦で付けることが。

「んー…ま、せやな。
○○、東風戦で終わらせてみ。
それと須賀やっけ、わかるんか?」

「わかる、というよりも読める」

「…そか。ならええわ。
案内頼むわ、準備は出来とるやろ」

「え、えぇ…こちらですわ…」

…まぁ良い。衣が本気でやれば良いだけだ。
東風戦で決着など、付けさせてなるものか。



「時間が惜しい。さっさと始めてさっさと終わらせろ」

この男は衣を馬鹿にしているのか?
十把一絡げと同じように容易く負ける衣ではないというのに。

「……良いだろう。衣が終わらせてやる」

ならば見せてやろう、衣の力を。
○○に負ける?否、衣は勝つ。
そしてこの男を見返してみせる…!

「透華!衣は全力で行く。透華も本気で頼むぞ」

「え、えぇ…わかりましたわ。私の本気、見せて差し上げますわ!」

「須賀と言ったな、衣を馬鹿にしているようだが後悔させてやろう。
衣は有象無象などとは違う!!」

衣が楽しみにしていた○○との闘牌。
それを邪魔するようなこの男だけは、ただでは済まさない。


「……天江も龍門渕も気づいとらんか…
○○がわざわざ打たせる雀士いうんが、どういうことなんか…」

らしくもない、頭に血が上っていたのだろう。
衣にはその呟きが聞こえていなかった。
聞こえていれば、また違った結果になっていたのかもしれない。

衣回想3。