卓について対局相手を待つ。
たいてい自分の姿を確認すると嫌そうな顔をする。
当然だ、自分のような打ち方をする相手との対局なんて面白くない。
だからその反応も仕方ないと思う。
それにしても最後の相手がまだ来ない、どういうことだろうか。
待てども姿を現さず。このままだと対局が始められない。

そして対局開始時間ぎりぎりになって慌しく走ってくる人影があった。

「ギリギリセーフや!!」

そんな声とともに飛び込むようにして椅子に座ったその人影は対局時間ぎりぎりになって来たというのに全く悪びれた様子もなく、楽しそうに笑っていた。

「いやー、すまんすまん、ちょっと道に迷ってもうてな。あ、俺は江口セーラや、よろしくな!!」

屈託のない笑顔、楽しそうな声色。
対局相手が自分だとわかっているのだろうか、普通はこんな反応しないはずなのに。

出会い3