(ふと目が覚めて、枕元に置いておいた携帯で時間を確認する。
朝というには早すぎるが、通りからは新聞配達のバイクの音がするし、外はうっすらと明るい)
……ん、
(抱き締めていた私が動いたからか、涼太が小さく呻いた。
抱き枕のように抱えて眠るこの体勢を、疲れないのかと一度聞いたことがあったが、傍にいるのにくっついてない方が落ち着かない、と言われたことを思い出す)
(…寝癖ついてる)
(ぴょこんと跳ねた前髪に小さく笑うと、そばにある瞼が小さく震えた)
……ん、あ…?
……………?
(まだ半分夢の中にいるのか、むにゃむにゃと言いながらほっぺたに擦り寄ってくる。
くすぐったさに身を捩ると、鼻先に宥めるようにキスが降ってきた)
今何時…?
(まだ寝てて大丈夫だよー)
ん、……、
(無意識に強くなる抱擁に、頬を寄せながらもう一度目を閉じた)