(お姉さんは綺麗な顔を歪ませて、泣きながら叫んでいる)

(お前の父親の指示のせいで恋人が死んだと。これだけしか取り返せなかったと、涙のひとつも流さずに彼の足だけ差し出されたと)

(同じ目に遭わせてやる、あいつだけ幸せなんて許さない、お前を殺して足だけあの悪魔に届けてやる、と…)




(そしてお姉さんが、震える手に力を込めた。もう、駄目だ…)




雛はじめてのおつかい5