二月
春が近づく一方で、未だに厳しい寒さの残る季節
しかし、人々の心は暖かく湧き立っていた


明日は2月14日、バレンタインデーである
世の中の恋する女の子が、想いをチョコにのせて渡す日である
最近は友チョコとかマイチョコとかでだいぶ垣根が低くなった気もするが、勝負の日なのは相変わらずだ


かくいう俺も、もしかしたら…と心を躍らせてはいたりする
おそらく不自然にキョロキョロしたり、何度も机の中を確認したりするだろう
うん、仕方ないね


クラスの子や部活の子もくれるとは言っていたのだが、あくまでも義理だろう
しかし、俺が気になっているのはただ一つ！
煌先輩が誰に渡すか、だ


もちろん人の良い煌先輩のことだ
部やクラスの皆に手作りチョコを渡すくらい、平然とやってのけるだろう
姫子先輩によると、実際去年はそうだったらしい。美味しかったそうだ


しかし！その中に一つだけ特別なチョコがあったかもしれない！
一つだけ一層手間をかけたものがあるかもしれない！
俺が懸念しているのはそこである


バレンタイン
それは想いを伝える日
しかし、裏を返せば誰が誰を好きなのか分かってしまう日でもある


もしも先輩に好きな人がいたら…
それが俺の敵いもしなさそうな相手だったら…
わあどうしよう


いかんいかん、そんなことを考えてるうちに部活が始まってしまった
今日も頑張るぞ！



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