群青レイン
『目に入れても痛くない話』
「眠れないよ」って泣いてる
君に絵本を読んでた
雨音がノックしていて
「明日も読もうね」
ってまた栞を挟んだ時には
君はもう寝息をついた
「外に出たいよ」と言う
それを許せないのは
「嫌いだからじゃない」なんて
都合の良いことだね
胸が苦しくなってさ
「ごめんね」繰り返してた
廻り始めたセカイのこと
君にまだ話すこともしないで
「目を合わしちゃダメだよ」
と縛ったのは いつか世界を、
その目で好きになる様に
昨日を嫌った 世界を憎んだ
だけどもう変わった
明日も愛せる
君も恋を知って
誰かに出会って
未来を作るのかな
ベッドの上、嬉しそうに
寝息たてて 楽しみだなぁ
涙がでちゃうくらいに
夜は静けさを増す
木々の隙間で何度も
心地良い風が廻って
明日は晴れるのかな
胸が苦しくなっていく
外に出してあげれないよ
眠れなくなった言い訳
思い出しそうになっていた
幼い頃の思い出
いつも父と二人で
母の帰りを待ってた
もう何十年も経ったけど
一人だけで過ごしてたとき
私も恋を知って賑やかになって
君が今日も健やかなことで
いつも同じ世界を
この目で愛していける
月日が巡って季節を過ごして
涙を拭って君が笑ってる
それだけ ギュッと
抱きしめていたいな
なんて思っちゃうけれど
もし未来がこんな日々を
ノックしたら「大丈夫だよ」って
笑顔で見送るから
突然になったお別れ
好きになった世界に
怯えちゃう様なお別れ
君の悲しそうな顔
「ごめんね」って言えないな
「愛してる」って言いたいな
…もうセカイが開いてる
雨音がノックしている
そんな「日記」を読んでた
涙が零れていく
涙が零れていく
涙が零れていく…
群青レイン