(朝起きてメカクシ団のアジトへ行くと、カノ一人しかいなかった。理由を聞くと、みんなで買い物へ行ったらしい。)
(カノは行かなかったんだね)
うん、僕今日は気分が乗らなくてさ…
なんか体だるいし…
(どうしたのかと心配になって、近寄るとギュッと抱きしめられた。)
(カノ…?どうしたの?)
しばらくこうさせて…
少し、嫌な夢を見ただけだから…
(夢?)
うん。昔の夢。
小さい頃、親を殺されて僕は一人ぼっちだったから…
その時の夢を見てたんだ…
(そうだったんだ…大丈夫だよ、カノはもう一人ぼっちじゃないよ)
(ギュッと抱きしめかえすと、すり、と甘えるように擦り寄ってきた。)
ありがとう…
実はね、ずっと寂しかったんだ…
でも、心配かけたくないから、能力使って欺いて、平気なふりしたりして…
(カノは優しいんだね…)
優しくないよ。
心配かけないようにとは言え、みんなを、仲間を騙してるんだよ?
もっと違う所に能力を使えば変わってたのかな…
ごめん、こんなの話すべきじゃないのにね…全部、自分のせいなんだよね……
(寂しそうに笑うカノは何故か泣きそうで…複雑な表情を浮かべていた。)
(初めてカノの本心を聞けた気がした。)
(そんなことない!カノは悪くないよ!)
…そう言ってくれるだけで嬉しいよ。
ちょっと今日は情緒不安定だったみたい。でも、もう大丈夫だから。
話を聞いてもらって、ちょっとすっきりしたよ。
あ、みんな帰ってきたみたいだよ!
おかえりー
(バタバタと玄関へ走っていくカノは、もういつも見ているカノだった。)
♪欺いてない弱虫なカノにあいたい