チャイムを押そうとした指をを離し…何もできず立ち尽くす…

何も出来ず…逃げるように…私はその場を去って…

あの人に…少しでも近づきたい…ただ…それだけなのに…

私は…ただ…見てるだけど…あの時も…今も…

玄ちゃんも…憧ちゃんも…みんな近づいてるのに…私だけ…

『宥ちゃん』

私だけが遠い…

今日も…何も出来ず…何も変えれない…それが…とてもつらくて…とても悲しくて…

とても…悔しくて…

(ポッ…ポッ…)


宥「雨…どうしよう…傘、ないのに…」


(ザーッ…)

強まる雨の中を歩き…雨宿りできそうな所を探していました…


宥「あっ…コンビニだ…あそこ…」

(ズルッ…ドテッ)

濡れた地面に足を取られる…道で倒れた私の前を、何人もの人が通り過ぎて行く…私は…その中をただうずくまり…


宥「〇〇さん…」


ただ…その人の名前を呼んでいました
宥って呼んで