色褪せたカーテンの隙間から注ぐ陽の光に、知らぬ間に夜が明けていたことを教えられる。
早朝とはいえすでにうっすらと感じる熱気に、今日も一日うだるような暑さに見舞われることが容易に想像できた。
仮眠をとったとはいえ、この調子で少女二人を連れての遠出は正直気が重い。

きっかけは先日携帯電話でリゼから相談を受けたことだった。
ココアが夏休みに里帰りをするので、その間チノと2人でどこか遊びにいこうと思う。いい案はないか、と。
この街に来ていくらも日の経っていない自分にはそういった知識もなく、そもそもレジャーなど楽しむための情報に対して疎いのは自覚している。
とっさに今の職場の同僚である翠さんに情報を貰ってアドバイスとしたが、どうやらリゼは自分も一緒に付いてくるものだと考えていたようだ。

少女、しかも2人。
多感な年頃の娘の扱いなど心得ているはずもなく、ひたすら途方に暮れた。
チノの父でありラビットハウスの店長でもあるタカヒロさんに
「彼女らの意見を尊重して、ただ見守るだけで構わない」とありがたい言葉を頂けたので幾分安心はできたが。
やはり子持ちの人の言葉は頼りになる。

自分は見守るだけ、そして彼女らの荷物持ち兼財布係になる。
そうであるならばいくらかたやすいものだ。精々軍資金を多めに用意しておくくらいか。
しかしあの子たちは二人とも年の割にしっかりしている。金銭的な面もきちんとしていそうではあるな。
ならば自分の出る幕はそうあるまい。




と、前日までそう高を括っていた己を今では猛省するばかりだ。

三人でお出掛け