「ん?どうした、帰らないのか?」
「ちょっと?なんだよ、ちょっとって」
「まぁいいや。一人で寝てるのも退屈だからさ、話し相手になってよ」
「いやぁ、自分でもびっくりしたよ。急に意識が飛んじゃってさ」
「で、目があいたら救急車の中だ。親父のすごく焦った顔を強く覚えているよ」
「だめだなぁ、私。軍人の子だとか言っときながらこのざまだ、情けない」
「ちょっとたるんでいたのかもしれないな!回復したらトレーニングの量を増やすぞ!」
「お前も付き合ってくれるよな?また白兵戦の訓練つけてくれよ」
「バイトももっと要領よく立ち回らないとな。お客さんも増えてきてるし、最年長者の私がしっかりしないと!」
「あと勉強もだな!他にも家のこととか…あと、それから…」
「……」
「なぁ○○」
「○○…」
(ガタッ)
「○○っ、○○っ…!」
「…怖かった、すごく怖かったよぉ!」
「私死んじゃうのかなって…、もうみんなに会えなくなっちゃうのかなって…!」
「いやだよ、まだみんなと一緒にいたいよ!もっとみんなといっしょに…!」
「ひっく…!このまま、目が覚めなかったらどうしようって…!」
「まっくらで、ひとりで、なにもきこえなくて…」
「そのとき、おまえの声がしたんだ」
「起きろって、絶対に助けてやるって」
「何も見えなかったけど、○○が私を呼んでくれてるのがわかったんだ」
「だから、安心できたんだよ…」
「ねぇ、○○」
「急だけどさ。わがまま、言ってもいいかな…」
「うん」
「やっぱり、まだ怖いから…。今日は一緒に、ずっと隣にいてほしい…」
「…ん、ありがとう」
「あ!あと、あと…」
「頑張ったねって、えらかったねって…」
「いいこいいこ、してほしい…」
「うん、体調も大分落ち着いたよ。なんだか迷惑かけちゃってごめんな」
「体ももう何ともないし、あと2,3日ゆっくりしたらまた復帰するからさ」
「大丈夫だ!私をなめるな、これでも軍人の子、だぞ?」
「みんなにも、改めてお礼しないとな。」
「とくにココアとチノには、余計な心配をかけちゃったし」
「シャロもあんなに泣かしちゃったし、謝らないとな」
「千夜は…」
「千夜には、塩を送ってもらってしまったから」
「次は、譲ってあげないとな」
「ん、こっちのはなし。おまえは知らなくていいの!」
「昨日の夜は、ありがとうな」
「おかげで、ぐっすり眠れたよ」
「ふふ、これから定期的に頼もうかな?」
「あはは、冗談だよ!」
「○○、ありがとうな」
「また、前みたいに元気になるから。おまえの隣を歩けるように」
くすり2