【街内某喫茶店】
モカ「……」
保登ママ「ふふ、ごめんなさいね。この子ったら緊張しちゃっているみたいで」
○○兄「いえいえ!うちの方こそ申し訳ない!愛想のない愚弟で」
○○「……」
モカ「…ちょっと、お母さん」
保登ママ「あらモカ。どうしたの、そんな怖い顔して。お相手に失礼よ?」
モカ「おかしいでしょ、これ」
保登ママ「なにが?」
モカ「なにがじゃないでしょ!?なんでお見合いみたいな感じになってるのよ!しかもよりにもよってこの人と!」
保登ママ「やだモカったら何をいまさら。みたい、というかこれお見合いだもの」
モカ「ちょっとついてきて~って言われて来てみればこれだよ!あんまりだよ!びっくりだよ!」
保登ママ「緊張しているのはわかっているけどもう少し落ち着きなさいね。○○さんもお兄様も困ってらっしゃるわ」
○○兄「いやぁ、元気があって大変宜しい!器量よしで人柄もいい!よかったなぁ、弟よ!」
○○「……」
保登ママ「以前からね、お兄様の方からぜひお会いしたいってお話を頂いていてね?せっかくだからみんなで一緒にお食事でもどうかしらってことになったのよ~」
モカ「聞 い て な い」
保登ママ「言ってないもの♪」
モカ「はぁん!?」
保登ママ「だってあなたお見合いだとか言ったら絶対来なかったでしょう?」
モカ「うぐっ…」
保登ママ「あなたももう2●歳でしょ?彼氏さんとかの話全く聞かないからお母さん心配になっちゃって」
モカ「余計なお世話だってば!それに今はパン屋さん忙しいでしょ、それどころじゃないの!」
保登ママ「そうは言ってもね…。あなたもいつかは結婚して子供を生んで…」
モカ「だからぁ!」
○○兄「なんかもめてるな」
○○「……」
○○兄「おい、何とか言えよ。先方さん、ああは言ってるがお前のことを思って準備してくれたんだぞ」
モカ「何度も言うけど!お見合いなんかしないから!私まだ結婚とか全く考えてないの!」
保登ママ「じゃあせめて恋人でも、ね?お母さんもお父さんと長い恋人関係の末にゴール決められちゃったから。まずはそこから…」
モカ「決められたとか言わないでよ…。親のそういう話って聞くに堪えないから」
保登ママ「とにかく、お母さんたちはもう行くから。今日はとりあえず二人きりでお散歩でもしてらっしゃい」
○○兄「そうですね、それがいい!そうしましょう!」
モカ「ちょっ、お兄さんまで!」
モカ「あなたも何とか言いなさいよ!」
保登ママ「じゃあお邪魔虫は消えるわね~」
○○兄「頑張れよ○○!ゴール決めてやれよ!」
モカ「待てこら!おい!」
モカ「…行っちゃったし」
モカ「ちょっと、どうするのよ。かなりめんどくさいことになってるんですけど」
モカ「あなたも何も聞いてなかった?ホンットなに考えてるのかしら!」
モカ「…まぁ、ここでぶちぶち言っててもしかたないか。とりあえず出ましょ」
モカ「…?なに?」
モカ「…お母さんたち、コーヒー代払わずに行ったわね」
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