(あ…ごめ……！)



(少し赤くなってしまった夏目君の手を見て止まりかけていた涙がまた溢れそうになる)







……。


は、勝手だ…。


おれの心には簡単に入って来たくせに、自分は泣いてる理由は知られたくない。一人で泣きたいって？




そんなの…そんなの許せるはずないだろ。







(ぎゅうっ)




泣き顔を見られたくないなら見ない。


理由を聞かれたくないなら、聞かない。



でも、おれのいない所で泣かないでくれ。





約束、して……。




(背中に感じる温もりに静かに涙を零し続けた)