おや、随分と赤くなっていますね。
(ひんやりと冷たい手が頬へ伸ばされる)
(火照った頬には心地よい温度に目を細めていると目の前の的場さんが小さく笑みを浮かべた)
…そろそろ食べ頃でしょうか。
味見をしてみたいですが……それはまた今度にします。
(不意に離れていく的場さんをぼんやり見ていると後ろから私の名前を呼ぶ夏目君の声が)
さぁ、早くお帰りなさい。
(的場さん、と声を掛けようとした瞬間に強い突風が襲ってきて)
(咄嗟に目を瞑り、次に目を開けた時にはもう的場さんの姿は無かった)
(この後私が夏目君にお説教をされたのは言うまでもない)
真っ赤になる