(痛みを覚悟して目を閉じた瞬間、強い風を感じた)







(ガルルル…)






(ニャンコ、先生…?)






「…お前の主はお前を別の妖の供物にしようとしていたのだぞ。



夏目はお前達の仇ではなく恩人…それが分からず無関係な人間にまで手を出すというならば、





今ここでお前を食ってやろう…!」










(先生の言葉を聞いた妖は、茫然自失な様子のまま姿を消した)






(ありがとう、先生…)



「ふん…酒を呑んでいい気分だったというのに。子供のお守りは夏目だけで十分だ。」



(うん…ごめんなさい…)




「……面倒な奴め。」





(もし先生が来なかったら…そう考えると震える体を見下ろしていると温かくてふわふわしたものに包まれた)









「お前を泣かせると夏目が煩いからな。」




(先生……ありがとう…)



「礼なら饅頭でいいぞ。」



(いくらでも買っちゃうよ、)









(尻尾で私を包み込んでくれた先生にひとしきり甘えた後、背中に乗せて家まで送ってくれた)
妖怪に狙われる(続き)