(明王くんとデートで遊園地に来ました)
ちょっと飲むもん買ってくるな。
そこに座って待っててくれ。
(あ……ごめん、ありがとう)
(ベンチに座って明王くんを待っていると、大学生くらいの男の子が二人近寄ってきた)
「どうしたの?一人?」
「よかったら俺らと遊ばない?」
(あ、あの…連れが居ますから)
「連れって女の子?一緒に遊べばいいじゃん!」
(いえ、あの、夫が……)
「それは嘘でしょー!まだ結婚してる様な歳じゃないじゃん!」
「そんな警戒しなくても…」
オイ!!お前らうちの嫁に何の用だよ!!
「え、嫁!?夫って本当だったの?」
「ってあー!!この人知ってる!
不動明王だ、イナズマジャパンの!!」
「何?サッカー?」
「お前知らねーのかよ!」
「俺野球派だもん」
「世界一になった時の日本代表くらい知ってろバカ!!
不動さん、お邪魔してすいませんでした!
奥さんもご迷惑をおかけしてすいません!」
(男の子達は慌てた様子で立ち去って行った)
(…明王くん、有名人なんだね)
いや、俺もちょっとびっくりした。
…ごめんな、怖かっただろ。
すぐ戻るからと思ったんだけど、一人にするべきじゃなかったな。
もう一人にしないからな。
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