(手に載せられたのは、縮緬のカバーが付いた鏡と…貝殻?)
先月あった、バレンタインの礼だ。
その貝、開けてみろよ。
(落とさないように、慎重に開ける…と、朱色の塊が入っている)
それ、紅だよ。
お前に似合いそうな色を選んだんだ…。
年頃の娘なんだ、少しくらい紅差したって罰は当たんねぇよ。
…ただ、今よりずっと綺麗になっちまうかもな。
(…?今、何て言ったんですか?)
別に何も言ってねぇよ。
今度、その紅差したところ見せてくれよ。じゃあ、また後でな。
(飲みに行ってくる、と手を振って去っていく原田さん…
その背中は、何処か照れ臭そうに見えた)
原田ホワイトデー2013続き