（黙ったままの彼が、私を抱きしめた）

（少し驚いて、指輪を落としてしまう）


…ごめん、なさい…、ごめんなさい…っ、

俺、間違ってた、

こんなことしても、怒らないお前にずっと甘えてた…

独りよがりって、わかっててもやめられなくて…


（彼の声は震えていた。顔を埋められた肩口が熱い…泣いて、いるんだ）


で、も…いま、そうやっていってくれた

やり直そうって

…俺、もうこんなのやめる


（私を離した彼は、涙を拭うと、さっき落としてしまった指輪を拾い上げて私に差し出した）


やり直させてください、お願いします


（いつもと違うしっかりとした口調と、真剣な眼差しに、私は笑みがこぼれた）

（改めてよろしく、おねがいします！）

（一瞬ポカンとした彼は、どこか安心した様に、笑った）


【happy　end】